Z34 Intercooled Super Charger System

Z34 Intercooled Super Charger System
■STILLEN(スティレン)
設立者のSteve Millen (スティーブ・ミレン) はヒルクライム、オフロードレースで活躍していましたが、1990年北米日産からの要請でIMSA GTシリーズにNissan300ZXで出場。モンスターマシンを操るスティーブの勢いは誰にも止められず、結果として二度のシリーズチャンピオン、ルマン24時間レースではクラス優勝(総合5位)等輝かしい功績を残しました。

同社はアメリカ合衆国カルフォルニア州ジョン・ウェイン空港のすぐ横に同社があります。100,000平方フィートの敷地に100人以上のスタッフと、完全自社生産の為の製造、組立ラインや実験室、取り付けファクトリー等も併設しています。マフラー、エアロパーツ、チャージャーなど魅力あふれるパーツはアメリカを中心に世界中で多くのユーザー、チューナーから愛されています。

北米市場では最も扱いやすくパワーが出しやすい事から、過吸気・スーパーチャージャーが大人気です。その中で最もメジャーなスーパーチャージャーのメーカーは"Vortech"(ボールテック)です。STILLENはVortechとの共同開発を行うことにより、最も信頼性の高いチャージャーユニット"V-3"を生み出しました。Z34へユニットを装着するだけで400馬力オーバーになるチャージャーユニットのキャパシティは単体で500馬力オーバーと言われていますので、今後の展開の余地も十分です。

1年ほど前よりずっと吉野さんから過吸気の打診を頂いていました。この1年、僕なりに日本国内外のチューニング事情や世界のマニュファクチャラーの動向を見ていましたが、僕が現時点で自信を持ってオススメできるチャージャーユニットはSTILLENインタークーラースーパーチャージャーシステムであることを今年1月に吉野さんへ報告したところ 『よし! じゃあ 行きましょう!』と二つ返事で承諾頂きましたので、DAYTONA発(初)Z34スーパーチャージャープランは始動しました。

Z34 Intercooled Super Charger System

Z34 Intercooled Super Charger System
■Stillen Intercooled Super Charger System
このシステムには以下のパーツが含まれています。
・スーパーチャージャー
・インタークーラー
・インテークマニホールド
・オイルクーラー(チャージャー潤滑オイル用)
・インジェクター
・燃料ポンプ
・パイピング
・エアクリーナー
・各種ホース、ブラケット
・チューニングECUデーター

我々がチョイスしたのはInternationa Unlockdモデルで、日本のガソリン(オクタン価)に考慮したプーリーをチャージャーへセットし、その他にも取り付けに必要な物は一通り揃っています。チャージャー本体の風量は500馬力以上。STILLENのPerformance Directorの話によると、今回のキットを上手くセッティングを行えば415~420馬力をマークする(後に何故この数値になるのかが判明しました)とのことで期待は高まります。
僕が最も面白いと魅力を感じたのは、オリジナル インマニ内部に水冷式インタークーラーが配置されている点です。空冷に比べ約4倍もの冷却効率を高めてくれるアイテムです。

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■Stillen Street Oil Cooler 19row
純正の状態でも油温が厳しいといわれるZ34のパワーアップを計画しているわけですから、当然オイルクーラーは必須です。スーパーチャージャーの出荷に合わせ同社のオイルクーラーをチョイスしました。セトラブ製19段オイルクーラーコアにBF GOODRIDGE製ホース、アタッチメントで構成されています。

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やはり左ハンドルをベースに製作されているスーパーチャージャーキットですから、そのまま「はい、取り付け完了」とは行きません。また、電子ハーネスの処理は完全手作業です。電子スロットルの移動や、エアフロセンサーの移動もありますが、それらのハーネスキットはありませんから1本1本配線を間引いて確実なハンダ処理も行う必要があります。

ですが、それら問題は全然カワイイもので、一番のネックはエンジンマネージメントです。日本仕様のデーター等を彼らは保有しているはずもなく(海外データーとの互換性はありません)通常なら頭を痛めるところでしょうが、我々は彼らが使用している全米最大(世界最大)のECUリフラッシュツールのProディーラー権を14ヶ月前に既に取得しています。つまりは日本仕様のチューニングデーターを作ることのハードルは僕にとっては高くないし、逆に全米No.1の過吸気チューニングと、全米No.1のエンジンマネージメントの組み合わせということは、世界中に広がっているプロチューナーとのスーパーチャージャーチューニングのデーターを僕たちは入手出来る立場にあります。DAYTONA最大の強みは、実力のあるU.S企業とのパイプが既に構築されているというところです。

また、今回使っているStillenのパーツに関しても、例えば自社以外の企業(個人)を経由しての並行輸入商材ではなく、僕たちの取り扱いはSTILLEN アジアマーケット ジャパン ディラーの"DAYTONA Racing"の正規輸入パーツであり、何か困ったときのサポートはStillenパフォーマンス ディレクターと直接やり取りできる関係にあるということも付け加えて説明しておきます。

Z34 Intercooled Super Charger System

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吉野さんのnismoはアルトラック ロングエキゾーストマニホールド、アミューズR1チタン、それにDAYTONA SPORTS ECMを組み合わせ、実測で320馬力。参考までに、フルノーマルのnismoで実測297馬力でした。

当初、STILLENから提供してもらったチューニングECUデーターをそのまま使いましたが、高負荷域でのAIR/FUELレシオが大変高く、またイグニッションタイミングは意図的に下げられているため、最初の測定では366馬力程度でした。根本的にこのデーターは『絶対に壊れることなく走れる』に過ぎないチューニングデーターですから、満足行くならこの段階で終わりでもいいですし、器量があるならリセッティングを行うのもいいです。チューナーとユーザーに選択肢を用意されているようなものです。

当然僕たちはリセッティングを行ないました。日常使いからワインディング、高速道路様々なシーンでの最適かつ安全なデーターを作るために、データロガーを車載し走り回りました。不必要な燃料は減量し、シャーシダイナモに載せる前から非常に高いパフォーマンスを感じていましたので自ずと期待は高まります。

しかし、今度は逆にダメでした。ウソのような話ですがパワーが出すぎてしまうのです。
エンジンを制御するセンサーの中で『エアフローセンサー』と言うものがあります。その名の通り空気量を測定するセンサーです。このセンサーの仕事は、最適な燃料を噴射させるために吸気した空気量をECUへ送信するという役割ですが、理想的なエンジンセッティングを行うとエアフローが測定値の限界に達してしまいます。それもそのはず。純正エアフロセンサーのキャパシティは130%。設計上で純正が330馬力と仮定して429馬力までしか測定できない計算がモノの見事に当てはまってしまいました。その為、不本意ではありますがREVリミットを7500rpmに設定し、イグニッションタイミングで調整を行い最終的には実測418馬力でセッティングを終えました。

Z34 Intercooled Super Charger System
次のステップでは純正比180%の測定を行うことが出来るエアフローセンサーを装着して更なるリセッティングを行えば、感覚的には470~80馬力はマークできそうな手応えはありますが、そのお楽しみは次回へ持ち越しです。
パワーグラフを見てわかるように、直線的に伸びていく出力特性はNAの本質を残したままのモンスターであることをデジタルが物語っています。加速Gに麻痺する特性ではなく、『気がつくと恐ろしいスピードになっていた』となるタイプですから、最も危ない(ヤバイ)タイプです。いい意味でチューニングカーらしくないトルクフルな大排気量スポーツカーの本領発揮というところでしょうか。

Z34スーパーチャージャー計画
この大きなチャンスを下さったオーナー吉野さんをはじめ、STILLEN Performance Director Dean、関係各社の皆さんに感謝します。ありがとうございました。

2013年03月15日